
静岡能を鑑賞してきました。
初めての体験です。
前もって演目の内容を調べて準備万端にていざ会場のグランシップです。
観客が小学生から大人まで老若男女と層の幅の広さに驚ろき、それはもう賑やかな会場でした。
最初の演目は蘇我兄弟の仇討ちの出発のおり、母の前で舞ったという小袖蘇我。
二人の若者が背筋を伸ばした美しい立ち姿とともに、
息のぴったりあった舞は、観るものに出陣前の緊張感を与え身のこなしの美しさ知りました。
次は文荷(ふみにない)という狂言です。
恋文を次郎冠者、太郎冠者にもたせるのですがその二人は途中で文を開けて見ているうちに破いてしまいます。
それを主人に見つかり大慌てする、浮気はするもので無いという諌めのような物語を、
面白おかしく身振り手振りで表現しており、演者の言葉も理解でき笑いの渦に巻き込まれました。
最後は、紫式部の幽霊が光源氏の供養を安居員法院に願いでる源氏供養。
能面を被ったシテの紫式部、ワキの安吾院法院の運び、すり足、その静かな動作、強く激しい動き、
そのどれをとってもその緻密な舞にだれもが引き込まれてしまいます。
うしろには大鼓・鼓・笛・数人の囃子方が控え、その掛け声、囃子は最初から最後まで演者の舞と共にあり、
その音色、掛け声は心打たれる響きがあります。
能の文語調の台詞はやはり聞き慣れず難しく、解説のアプリ無しではストーリーの流れを楽しむことができませんが、
演者の舞、囃子方、掛け声、文語調の台詞と伝統文化に接しているライブ感は経験に値するものでした。
nobu